足のむくみ 静脈瘤 循環器 函館美原

胸のつかえ感

 胸のつかえ感、違和感、痛みを訴えて消化器内科の外来を訪れる患者さんは大勢いらっしゃいます。原因となる消化器疾患には次のようなものがあります。

 ■食道がん・・・
 50〜70代の男性に多く、飲酒(度数の高いアルコール、赤くなる体質)、喫煙、熱い食事やお茶を好む習慣が危険因子になります。
 症状が出てからでは進行癌に進んでいることが多いですから、リスクの高い方は年1回の内視鏡検査をお勧めします。バリウム検査では早期食道癌は見逃されやすいです。

 ■胃食道逆流症・・・
 食道と胃のつなぎ目である噴門部は、食物が通過する時以外は閉じて胃酸が食道に逆流するのを防いでいます。しかし、暴飲暴食、高脂肪食、食後すぐに横になる習慣、肥満・妊娠・背骨の変形などによる腹圧の上昇、食道裂孔ヘルニア(胃の上部が横隔膜より上方へ脱出したもの)により噴門部の働きが低下すると逆流しやすくなり発症します。
 胸焼けと呑酸(酸味が込み上げる)が典型的症状ですが、喉の違和感、咳、耳痛の原因になることもあります。高齢化、食事の欧米化、ピロリ菌感染者の減少(胃酸分泌が増加するため)により、今後さらに増えていくことが予想されています。

 ■カンジダ性食道炎・・・
 食道の粘膜にカンジダというカビの一種が感染しておきます。AIDS、悪性腫瘍、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全などの病気、免疫抑制剤やステロイド剤の長期内服、疲労などにより、免疫力が低下すると発症します。

 ■食道アカラシア・・・
 下部食道の神経障害により噴門部が開きづらくなり発症します。固形物より液体の方がつかえやすく、睡眠中に食道内の貯留液が逆流し枕元を汚してしまうのが特徴的です。比較的まれな疾患で初期には検査で異常を認めづらいため、見逃されていることも多いと思われます。

 他にもまれな疾患はありますが、1番多いのは検査してもはっきりとした異常が見つからない場合です。ストレスによる心因的な原因でおこり、検査で異常がないと安心されて症状が消える方も多いです。以上のようにほとんどが良性疾患か心因的なものですから、むだに思い悩まずにお気軽にご相談ください。

消化器科・副院長 : 能戸 久哉
「青いポスト」2012年11月16日号 掲載

     

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