便秘 函館美原

便秘治療は素人判断では危険です

 便秘で悩まれている方は大変多いと思いますが、医療機関を受診している人は少なく、大半が自己判断により市販薬を服用しているのが現状です。
 しかしながら、ひとくちに“便秘”といってもその病因や病態は様々であり、その病因や病態を見極めないまま漫然と市販薬(多くは刺激性下剤)を常用し続けると、便秘症状に隠れた重大な器質的・機能的疾患を見逃したり、けいれん性便秘ではさらなる症状の悪化をもたらしたり、下剤中毒に陥ったりする危険性があります。

 便秘は、大腸での過剰な水分吸収が原因で、大腸の器質的異常による通過障害(器質性便秘)と大腸の機能障害(機能性便秘)によって生じます。機能性便秘には大腸の運動能力が低下して起こる弛緩性便秘と大腸の運動が亢進(けいれん)して起こるけいれん性便秘の2つのタイプがあります。

 便秘を解消するには、規則正しい生活を心がける、排便習慣(便意を我慢しない等)を身に付ける、食物繊維を多く含んだ食品や水分を多くとるなど食生活を改善する、適度な運動を行う、の4つがポイントになります。しかし、これらの方法でもよくならない場合は、その病因や病態を見極めたうえで、適切な薬の服用を考慮します。

 たとえば、けいれん性便秘は若い女性に多いのですが、大部分が便秘型の過敏性腸症候群であるといわれていますので、市販の大腸刺激性下剤を服用するよりも、過敏性腸症候群の治療を行うことが、合理的な便秘解消法となるのです。

 現代の日本人は、食物繊維が必要量の半分程度しか摂取されていません。したがって、極力、食物繊維をとるように心がけることが大切です。しかし、便秘を解消するためには、どの食物繊維でもよいというわけではありません。食物繊維は、その性質から水溶性のものと不溶性のものがありますが、不溶性食物繊維は大腸に刺激を与えるため、けいれん性便秘の人には不向きなので注意が必要です。

 たかが“便秘”、されど“便秘”です。快便が得られると、他のさまざまな不調も改善されます。便秘で悩まれている方は、一度ご相談ください。



弛緩性orけいれん性便秘 識別チェックシート
弛緩性便秘チェック】 けいれん性便秘チェック
@便意はないが、おなかの不快感がある。

A便が硬くて太い。

B市販の下剤を飲むと具合がよくなる。

C食物繊維を多く食べるとよくなる。

Dストレスはほとんどない。
@しばしばおなかの痛みや不快感がある。

Aトイレに行くとおなかの具合がよくなる(@の症状がよくなる)

B便が硬くてコロコロしている。

C残便感がある。

Dおなかが張るのにお通じがない。

Eストレスがたまっている。

→このうち3つ以上あてはまれば、弛緩性便秘の可能性が高いといえます。 →このうち3つ以上あてはまれば、けいれん性便秘の可能性が高いといえます。
食物繊維の分類
性  質 種  類 多く含む食品
水溶性食物繊維 水に溶ける ペクチン、
グアーガム、
グルコマンナン
海藻類、こんにゃく、らっきょう、押麦、なめこ
不溶性食物繊維 水に溶けない セルロース、
ヘミセロース、
リグニン
小麦ふすま、干したえんどう豆、大豆、干し椎茸、かんぴょう、切干大根
平成20年6月3日
消化器科 副院長 能戸 久哉


      

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