非アルコール性脂肪性肝疾患
 

 飲酒習慣がないか、それほど飲酒をしない人の脂肪肝を
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:ナッフルディー)と呼びます。生活習慣の乱れ、内臓肥満、ストレスなどの複数の原因で発症しますが、肥満との関わりが非常に深い疾患です。生活様式の欧米化に伴い確実に増加してきており、患者数は1000万人以上とも言われています。

 従来は良性疾患と考えられ、そのほとんどが放置されてきました。ところが、2007年に日本糖尿病学会から『糖尿病患者の死因のトップが肝疾患関連死(13.3%)』と報告されて以降、NAFLDが注目されるようになりました。

 NAFLDの20〜30%が肝臓の炎症と繊維化を生じて予後不良な非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)に進展します。されにその50%が進行性で、約10年で20〜30%が肝硬変、肝がんに進展します。そして、NAFLD患者の多くは肥満、脂質異常症、糖尿病、睡眠時無呼吸、逆流性食道炎、うつ病など複数の疾患を抱えています。
また、NAFLDは肝疾患でありながら、死因が脳血管疾患であることも少なくありません。このように、NAFLD患者は多方面への配慮を要する”病気のデパート”状態なのです。

 NAFLDは中年男性と高齢女性に多く、特に高齢女性ではNASHが多いと言われています。NAFLDには肥満の基準(BMI≧25)を満たさない例も多く含まれていますので、下記のような方は肝機能検査が正常でも一度腹部エコー検査を受けた方が良いと思います。

 @ 生活習慣病、特に糖尿病の方。
 A 検診でウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上の方。
 B 20歳時の体重から10kg以上増加している方やこの一年で体重の増減が±3kg以上あった方。
 平成28年9月1日
消化器内科・副院長  : 能戸 久哉


      

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