ドクターコラムDoctor Column

ストレストと循環器疾患

循環器疾患

現代社会はストレス社会と言われています。この場合のストレスは社会的、精神的ストレスのことで、ストレス反応としては怒り、緊張、不安などの形で表出されます。

 ストレスと深い関係にある疾患は様々あり、これらをストレス関連疾患と呼びます。
 循環器系の疾患の中にもストレス関連疾患に含まれるものがあります。

1.高血圧症

 高血圧の原因は遺伝因子と環境因子の相互作用で発症します。ストレスも環境因子の一因とみなされています。
 ストレスにより交感神経が緊張すると、エピネフリン、ノルエピネフリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。このホルモンが血管を収縮させるため血圧が上昇します。

2.冠動脈疾患

 狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患はストレスと深い関係にあります。過剰なストレスが交換神経を緊張させ冠動脈の収縮が起こったり、また血液の粘りが強くなり血栓ができやすくなって冠動脈の硬化や閉塞が起こります。

3.不整脈

 交感神経が興奮すると心臓の電気の経路の異常や、心筋細胞の異常興奮のため不整脈が出現しやすくなります。

4.心臓神経症

 明らかな疾患がなくてもストレスが強かったり長く続くと胸痛、動悸、息切れなど胸部の症 状が現れることがあります。神経症の中で心臓に関する症状が主体の場合、心臓神経症と呼びます。

5.ストレス対処法

 ストレス対処法は人により様々ですが、普段からストレスを感じやすい人は対処法をいくつか身につけておくと良いでしょう。
 一般的な方法を列挙すると・・・

  • 疲れを感じたら休息する。
  • 旅行で気分転換する。
  • 没頭できる趣味を持つ。
  • 自分にあった運動をする。
  • 自然と接する。
  • 家族や仲間との会話を持つ。
  • ボランティアなど仕事以外の活動に参加する・・・ など

上記の症状に心当たりのある方、心配な方は一度診察を受けてみてはいかがでしょう?

循環器科 院長: 能戸 徹哉

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