ドクターコラムDoctor Column

早朝高血圧

1.早朝高血圧とは?

 血圧は1日中一定ではなく変化しています。通常、就寝中は低く、起床時から徐々に上昇し、日中はやや高めで経過します。
 ところが高血圧の患者さんの中には朝の血圧が特に高くなる方がおり、このような高血圧を早朝高血圧と言います。

2.早朝高血圧はなぜ悪いのか?

 朝方から午前中の時間帯は心筋梗塞や脳卒中の多発する時間帯です。
 早朝高血圧の人は心筋梗塞や脳卒中になりやすいとの研究報告がされています。

3.降圧薬を飲んでいれば安心か?

 高血圧のために薬を内服している人でもかなりの方が早朝高血圧であったとの報告があります。したがって、降圧薬を飲んでいるからといって安心はできません。

4.早朝高血圧の診断

 早朝高血圧を見落とさないためには家庭血圧を測定し、1日の血圧の変化を知ることが重要です。
 毎日でなくても良いので朝(薬を内服する前)と寝る前に血圧を測ってみて下さい。
 夜の血圧が安定しているのに朝の血圧が上が135mmHg以上、下が85mmHg以上であれば早朝高血圧の可能性が高いでしょう。

5.早朝高血圧の治療

 早朝高血圧と診断された場合は、降圧効果の持続時間が長い薬に変更したり、朝内服している薬を夜寝る前に飲むように内服時間を変更したりします。それでも効果が不十分の場合は、早朝の血圧上昇を抑える効果のある薬を夜寝る前に内服する方法もあります。

症状に心当たりがある方は一度診察を受けてみてはいかがでしょう?

院 長: 能戸 徹哉

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