ドクターコラムDoctor Column

夜間高血圧について

高血圧の管理のため家庭血圧を測定している方も多いと思いますが、自律神経の働きで血圧は昼間の覚醒時に高く、夜間の睡眠時に低くなるというのが一般的です。

 十分な睡眠をとることは、夜間の低い血圧が心臓や血管の安静をもたらし、体にとって血圧の観点からきわめて大切なことです。
 ところが、夜になっても血圧が下がらなかったり、逆に昼間よりも血圧が上がってしまうことがあります。これを夜間高血圧と呼びます。

 夜間高血圧の場合は寝ていても強い圧が血管にかかり続けるために、血管が損傷しやすく心筋梗塞や脳卒中などの血管障害が起こりやすいといわれています。
 夜間の血圧値を知るためには、日常生活をしながら血圧測定が可能な24時間血圧計を装着して調べる方法があります。2008年度からは保険適応にもなりましたが、まだあまり一般的とは言えません。
 家庭血圧を起床後30分以内に測り、上昇している場合は夜間高血圧の可能性があります。また家庭血圧計には夜間の血圧を測定できるタイプのものもありますので、これを利用するとある程度夜間血圧を把握することが出来ます。

 夜間高血圧の原因には糖尿病・心不全・慢性腎臓病・自律神経障害・睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。また塩分の取りすぎ、ストレス、肥満などが影響するといわれていますので、普段から塩分の取りすぎや食べすぎなどの生活習慣の改善も大切です。

循環器科・院長 : 能戸 徹哉

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