ドクターコラムDoctor Column

動悸を感じたら(1)

当クリニックでも動悸を訴えて診察を希望される患者さんがおります。
今回は動悸について説明したいと思います。
動悸とは、普通は自覚されない心臓の拍動を感じる状態のことです。
患者さんが訴える動悸の表現はいろいろあります。
「胸が一瞬ドキンとする」、「脈が一瞬止まる」、「脈が飛ぶ」、「鼓動を強く感じる」、「鼓動をドキドキ速く感じる」などです。さらに動悸のため胸痛、胸部違和感、呼吸苦を訴える方もいます。
それでは、動悸はどのような原因で起こるのでしょうか。
動悸は不整脈が原因の場合と不整脈以外が原因の場合があります。

(1) 不整脈が原因の場合

不整脈は脈が速い不整脈(頻脈)、脈が遅い不整脈(徐脈)、脈のリズムが不規則な不整脈に分けることができます。中にはリズムが不規則で頻脈の場合や、リズムが不規則で徐脈の場合もあります。
動悸を感じたら、まず手首に指をあて脈を測ることをおすすめします(検脈)。
検脈で1分間の脈拍数と脈が規則正しく打っているかをチェックします。
検脈に自信のない方は血圧計やパルスオキシメーターなどで脈拍数を測定するのもよいと思います。
一般に安静時の脈拍数は60~100(回/分)ですので、頻脈や徐脈があれば不整脈の可能性があります。また、脈拍数は正常でも脈が不規則であればやはり不整脈の可能性があります。
精神的ストレス、肉体的ストレス、睡眠不足、飲酒、喫煙、コーヒーの飲みすぎが不整脈を起こしやすくすることがありますので、動悸を感じやすい人は注意が必要です。
また、不整脈が有る場合は心臓に何らかの基礎疾患が存在することもありますので、動悸が気になる場合や、検脈で異常がある場合には一度循環器内科で診てもらうとよいでしょう。

(2) 不整脈以外が原因の場合

動悸が不整脈以外で起こる場合は心臓が速く打つ場合が多いです(洞性頻脈)。
原因は貧血、脱水、発熱、甲状腺機能亢進症、慢性肺疾患、自律神経失調症、心因性などです。

洞性頻脈:正常の脈がただ、速くなった状態

「動悸を感じたら(2)」はこちら

院長 : 能戸 徹哉

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